箕輪初心:生方▲草津100-56『大町桂月M41』旅・山・温泉を愛す酒仙文学者・57『下屋学』

草津温泉の湯畑の石柱には『大町桂月 明治41年(1908)随筆家』
とあった「大町桂月って誰?」って感じだったので、調べた。
草津温泉観光協会の本やHpに『明治41年(1908)晩秋 大町桂月
国文学者「十和田湖」・「関東の山水」「雪の草津」を著した。』と
あった。また、ウィキペディアなどで調べ、要約した。
「関東の山水」の第5章P205からは「上州の山水」である。
明治41年(1908)10月下旬 大町桂月は東京の家を出て、群馬
県の赤城山、吹割の滝(旧片品村)などを周遊した。沼田からは
馬車で鯉沢(旧子持村)へ向かった。鯉沢(現渋川市)から吾妻
川沿いを徒歩で行き、途中で馬車に乗って中之条を経て沢渡に宿
泊した。翌日、大町桂月は徒歩で暮坂峠を越えて草津に到着した。
草津では25日間、滞在した。下屋学と毎日、碁を打っていた。
帰りは川原湯、中之条、渋川で宿泊し、12月30日に帰京した。

画像



◆『大町桂月』のい略歴
・明治2年(1869) 元土佐藩士の息子として生まれる。

・明治29年(1896) 東京帝国大学国文科を卒業した。

・明治32年(1899) 島根県で中学教師として奉職した。

・明治33年(1900) 博文館に入社した。

  大町桂月は与謝野晶子の才能を認めており、親交も深かった。
  
・明治37年(1904) 9月 『明星』に発表された与謝野晶子の
  「きみ死にたまうことなかれ」
  に対して、大町桂月は『太陽』誌上で
  「皇室中心主義の眼を以て、晶子の詩を検すれば、乱臣なり
   賊子なり、国家の刑罰を加ふべき罪人なりと絶叫せざるを
  得ざるものなり」
  と非難した。与謝野晶子は『明星』11月号で「ひらきぶみ」
  を発表し、「歌はまことの心を歌うもの」
  と弁明した。
 ★大町桂月は国粋主義者の要素があったようである。

 大町桂月は『文芸倶楽部』『太陽』『中學世界』などに随筆を書き
 美文家として知られた。
  韻文・随筆・紀行・評論・史伝・人生訓など多彩であった。
  格調高い文体から擬古派と言われた。

・明治39年(1906) まで博文館の在籍した。

●明治41年(1908)晩秋 大町桂月が草津に来た。
  「関東の山水」「雪の草津」を著した。
(★草津温泉観光協会)
「関東の山水」の第5章P205からは「上州の山水」である。
浅間川・・・白根山・・・赤城山・・榛名山・・伊香保・・・
草津・・・鹿沢・・・四万・・・川原湯・・・・(略)

第8節 「雪の草津」
◎利根川・・・吾妻川・・岩井堂・・・沢渡温泉・・・大岩の滝
・・・暮坂峠・・草津温泉・・・□□岩・・常布の滝・・・毒水
・・・元白根山・・渋峠・・小□の滝・・・浮島(★現ラムサー
 ル条約批准地:芳が平)・・・白根絶頂・・・湯釜・・・婚仙滝
・・・西の河原・・・氷岩・・殺生が原・・・鞠子岩

★大町桂月は草津温泉に25日間滞在した。
「三 雪の白根山  P236
 草津温泉に一夜とまりて、明くれば、白根山に上り、・・・(略)
・・・あいにくの雨也。・・・・草津の案内記を取り寄せて読む。
『草津鉱泉療養法』といへるは、坪屋水哉の序あり。著者は下田
学氏、草津に住める医師也。
・・・(大町は下屋にあって、白根山のことを話すと11人で行く
ことになった。)

「四 草津温泉の二十五日   P243
「われ草津温泉に滞留すること、二十五日に及びぬ。
 草津温泉は、温泉場として、天下無類の特色を有す。在来、温泉
と云へば、必ず先ず指を草津に屈せしも、偶然に非ず。東京に、硫
黄花をわかす風呂あれば必ず草津の名を冠するを以て見るも、その
草津の効能が世に知れわたりたるを知るべし。されど、東京の諸処
の草津温泉の白濁せるを見て、本家の草津も亦然るべしと思はゞ、
これ大に誤れり。本家の草津温泉は、すき通るばかりに澄んで居る
也。硫黄も含硫酸、遊離□酸など多くを含めり。酸性泉にして、か
ねて硫黄泉なるもの也。酸性峻烈、強く人の体を刺す。梅毒のある
ものは言ふも更也。無きものとても、浴し居れば、『たゝ゛れ』を
生じ、あらゆる病毒を駆除し去る。言はゝ゛、この人の身體の噴火
にて、灸をすゑる同じ筆療法の東洋的療法也。『たゝ゛れ』出來ては
微温湯では、却つて疼痛を感ず。これに於て、時間湯なるものあり。
その数、六七、各、湯長ありて、号令して三分間を限りて入浴せし
む。一同揃つて、板にて湯を揉む間に、運動もすれば、湯気をも呼
吸して、げに、一挙両得のみにあらず。その時間湯の熱度、百二十
二三度より百二十五度に及ぶ。『あら可笑し、風呂へはいるに号令
かけて、揃つて三分、改正の二分、残つて一分、ちツくり御辛抱、
辛抱のしどころで飛び上る』と云へる俗謡は、よく簡単に時間湯の
有様を説明せるもの也。時間湯の外、総湯もあり、内湯もあり、湯
瀧もあり。温泉の性質の強烈なるのみならず、涌出の量の多きこと、
実に天下無比也。湯畑を始め、白旗の湯、地蔵湯など、いづれも直
に小川を成すばかりに熾に涌出す。西の河原の如きは、温泉、絶壁
より出でゝ流れて渓となり、かゝりて瀧となる。」

「草津は明治以前に有りて、関東唯一の遊山場也。…(略)…」
  
「草津温泉は、花柳病と癩病とのみに非ず、心臓病、肺病を除きて
は、あらゆる病気に霊効ありといふ。近年は、病人以外の遊山客も
増加したる由也。…(略)…今の処にても、一年二十万の客ありとい
ふ。他日更に交通の便加はり、旅館の改良をはからば、避暑の客、
遊山の客も多くなりて、草津当年の繁華を回復することも、決して
難しとせざるべし。」
 
「草津一五瀑の名あれども、観るべきは、常布と嫗仙との二瀑也。
…(略)…西に元白根の谷を上れば、氷岩とて、夏日も氷ある巌窟あ
り。草津よりほんの十二三町の程也。なお十二三町も上れば、殺生
河原あり。硫気一谷に薫じて、鳥獣の屍骸を見る。獅子岩は、形似
によりて名あり。(略)白根山頂の四池、小蓋の池など、池の数は
十数もあれど、いづれも小也。(略)小蓋池の浮島、鸚鵡岩、みな
遊客の徒然を慰むるに足る。げに、白根の活火山を控へたる草津温
泉は、関東の一大勝地と云ふべき哉。…(略)…」

「 むかしは、草津千軒と□(称の旧字)せられたりき。されど、地
勢により察するに、半分は、かけねなるべし。今が一等旅館と称する
は五六軒あり。二等三等より五等六等にいたり、数(旧字)は四五十
にいたり。…(略)…

「散歩するうちに面白く感ぜられたのは『入浴逝者之塔』『凍死人
供養塔』と也。察するに前者は…(略)…」

「薬研の底ともいふべき草津温泉場を流るゝ湯の川の上流を西の河
原と称す。賽の河原の字面を改めたる也。…(略)…」

「草津の民は、もと旧(異体字)歴の十月八日を以て、家をとざし
て。山下の里に下り、翌年四月八日に上り來たりしが、三十年前よ
り今のやうに冬も住むようになれり。…(略)…」
  
  
「下屋氏、隣房の客、宿の主人、みな笊碁の好敵手、二十五日の
間、一日も碁うたぬ日はなし。をり/\下屋氏の家に飲み、酒楼に
も飲みぬ。草津の地は、今や浴客幾んど無くなりて、心のどかに冬
籠りせむとす。われは、いつまでも、山中にのんきになりても居ら
れず。都には妻子…(略)…日頃相識れる人々、泣燈籠までと云ふ
を、この天気なればとて、辞すれど、なお五人ばかりは送りに来る。
地に五六寸の雪ありて乾坤一望白く、日は照りながら雪ちら/\降
れる朝なり。」

(★「雪の草津」草津温泉の二十五日『上州の山水』大町桂月著) 
(『関東の山水』国立公文書館デジタルP236~P251を部分引用写筆)

下屋学…医師
「草津鉱(古い字)泉療養法」
序文
                 坪谷水哉(すいさい)

「草津鉱(古い字)泉療養法分析表」
調べた場所
①松ノ湯、②熱ノ湯、③鷺ノ湯、④地蔵ノ湯、⑤白畑の湯

「草津鉱(古い字)泉療養法目次」
一   温泉湧出の原理
二   草津温泉の気候風土
三   温泉の薬分及温泉の性状
四   温泉の健康体に対する作用(則ち生理作用)
五   温泉の医治作用(則ち病態に対する作用)
六   浴用の種類及其の功用
七   入浴方法及其の注意
八   入浴禁忌法
九   空気療養地としての草津温泉
十   温泉の蒸発器及其の吸入
十一  びうんの予防法
十二  入浴の起源
十三  草津温泉の内用
十四  温泉療養に兼ねる医薬の応用
十五  医療と療養
十六  入浴適応性病名
十七  精神保養
十八  長寿延命法
十九  入浴中の体力と其の結了後の体力の比較
二十  草津温泉浴医局
廿一 結論
  付録 草津温泉誌
(★国会図書館デジタルより写筆)



・明治41年(1908)、大町桂月は、十和田湖から奥入瀬渓流沿いに
歩いて蔦温泉に到達した。
 雑誌『太陽』に「奥羽一周記」と題する紀行文を発表した。
 「十和田湖」が含まれ、十和田の名が一躍有名になった。
和漢混在の独特な美文の紀行文は広く読まれた。
 ★『太陽』の編集者は「坪屋善三郎(号は水哉:すいとん)である。
★十和田に行っているが、昔のことで写真はない。

・明治42年(1909)夏 大町桂月は松尾芭蕉に憧れていた。
  「五月雨を 集めてはやし 最上川 」
   目的は最上川の舟遊びをするためであった。
  大町桂月らは、大石田から乗船し、最上川を舟遊びし、(大石田町内)
  黒滝に上陸し、古刹である曹洞宗の黒瀧山向川寺に参拝した。

◆◆ 箕輪初心★松尾芭蕉24『奧の細道13』【立石寺】 ◆◆
http://53922401.at.webry.info/201208/article_8.html

箕輪初心★松尾芭蕉25『奧の細道』⑭【最上川下り~
▲羽黒山・月山・湯殿山】
http://53922401.at.webry.info/201208/article_9.html


・大正2年(1913) 『人の運』が出版された。
  処世訓集として当時のベストセラーとなった。
  
  明治大学で教鞭を執った。
  
・大正7年(1918)  38年ぶりに故郷:土佐の土を踏んだ
同郷の愛弟子:田中桃葉(貢太郎)と桂浜に遊歩した。
「見よや見よ みな月の  みのかつら浜
    海のおもより  いづる月かげ」


・大正10年(1921) 大町桂月が北海道旅行に行った
 大町桂月は北海道の「層雲峡」や「羽衣の滝」の名付け親でもある。
 大雪山系の黒岳の近くには、大町桂月の名前にちなんだ「桂月岳」
 という山があるそうである。
 北海道各地を旅行して、魅力を紀行文で紹介した。
  

・晩年、朝鮮、旧満州(中国東北部)まで足を延ばしている。

・大正14年(1525) 4月 大町桂月は蔦温泉(現十和田市)に本籍
  を移した。青森県の十和田湖と奥入瀬を特に愛した。
 6月10日 胃潰瘍のため、蔦温泉旅館で死去、数え57歳。
   戒名は清文院桂月鉄脚居士

  与謝野晶子は大町桂月に「横浜貿易新報(現神奈川新聞)」
  に追憶を寄せた。
『蔦温泉帖』
「世の人の 命をからむ つたの山 湯のわくところ 水清きところ」


★終生、酒と旅を愛し、「酒仙」とも「山水開眼の士」とも称された。
★若山牧水と同じだった。


『草津に歩みし100人』のブログ一覧**************



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